みなさんこんにちは!エンジョイワークスの永田です。
今年4月から紀の川市と提携して総務省の地域活性化起業人として鎌倉と二拠点でまちづくりに取り組んでいます。
西国三十三所巡礼の第三札所である「粉河寺」の門前町である商店街の活性化のため、粉河寺の目の前にある廃業してしまい約10年間空き家になっている元旅館「三笠館」を地域再生の始点とするため、2024年4月オープンに向けて宿泊、サウナ、スイーツカフェにリノベーション中です。
今回は12月2〜3日に開催したイベントの模様をレポートにしました。
粉河一丁目一番地の元旅館を地域再生の拠点に
三笠館は大正時代から続くと言われる粉河エリアでかつて最大規模を誇った旅館でした。岩風呂の大浴場に、50名で宴会ができる大宴会場があり、50〜60年前までは大人数で芸者さんを呼んで宴が催された場でした。他にも結婚式や展示会など地域の方々にとってもシンボルとしてさまざまな催しが開催されていました。
高度経済成長期を中心に企業や団体旅行などマスツーリズム全盛期でとても繁盛したため、増築に増築を重ねて合計4棟の規模となっています。しかし50年以上前の建物は建築確認や検査済証がなく、利活用が難しく建物の老朽化が進んでしまっており、不良ストックと化してしまっていました。全国的にも同様のケースが見られます。
そんな課題解決のため、1人や夫婦などのマイクロツーリズムの流れにマッチするように、地域にとってマイナス要因である建物解体に地域の方々を巻き込みながら一部減築を実施。マルシェやイベント開催ができる広場に整備し、コミュニティが醸成される場をつくります。
また、解体で出てくる廃材をストックし、次に仕掛ける商店街の空き家改修に活用することで中古建材の地域内循環と解体時のCO2排出削減(ライフサイクルコスト削減)を目指す取り組みにチャレンジしています。(「令和5年度・国交省空き家対策モデル事業」、観光庁「歴史的資源を活用した観光まちづくり事業」採択)
広場は地元・紀州材のウッドデッキで仕上げ、日常時はテラス席として、ハレの日はマルシェやイベントが開催できるようにし、今後商店街活性の事業者が生まれるインキュベーション機能も持たせます。残った2棟については、内装をリノベーションしフルーツ王国・紀の川市のフルーツをたっぷり使ったスイーツカフェ・宿泊施設・サウナにリノベーションしています。
感謝と別れを告げ、次のステップに進む「棟下式」
来年4月オープンを目指して、地域のシンボルである「三笠館」の一部減築にあたって感謝とお別れを地域のみなさんといっしょに告げるイベント「棟下式(むねおろしき)」を12月2〜3日に執り行いました。
棟下式®︎(むねおろしき)は、建物への感謝とお別れの儀式です。 思い出のある建物だから、最後にありがとうを伝えたい。 そんな想いを大切に、愛着のある「建物」への感謝と別れの機会をご提供しています。 https://www.muneoroshiki.com/
粉河産土神社は約1,300年の歴史があると言われる紀州三大祭りの一つ「粉河祭」を実施しておりますが、その宮司さんにご祈祷いただきました。
オーナーさんから旅館営業していた際のご両親との思い出や、お稽古で使用していた木琴が出てきて久しぶりに叩いてみるなど暮らしていた時の懐かしい思い出話から、当時から変わらぬ地域に愛されてきたことで三笠館が約100年続いてきた歴史など温かい心温まるストーリーをお話しいただき、参加者のみなさまも胸が熱くなりました。
当時はご両親で経営されていたのですが、お母様が他界されてからお父様1人で食事も作り、切り盛りしていたもののお父様も他界された後そのまま放置されてしまっていました。建物の規模が大きく、残置物も多いのでなかなか手をつけられないという状態だったところ今年6月、地域の方からオーナー様を紹介いただき活用へと進めることになりました。
また、解体DIYワークショップでは2日間で16名の方々に参加いただき解体予定の建物2棟の内装壁を解体。DIT(Do It Together)で地域の方々を巻き込みながら建物の工事などを手掛けるチームクラプトンをお呼びし、講師として参加いただきました。
三笠館の使える材料を獲得し、ストックして次の商店街改修に繋げます。また2日目には解体した材料でA型看板とベンチを製作しました。普通だと捨てられてしまうものを活用することの意義を参加者のみなさまにも感じていただける機会に。
紀の川市粉河エリアの活性化の拠点を目指して
今後、三笠館は真ん中2棟を解体し残った建物2棟を改修し、紀の川のフルーツを使ったスイーツカフェ、伏流水を活用したサウナ、宿泊施設の複合用途で来年4月オープンを目指して進めています。
約60年前の当時は180もの店舗が軒を連ねる門前町であった、粉河寺からJR粉河駅までの「とんまか通り」が現在数店舗しか営業していない状態です。その商店街のシャッターを全て開けていくぞ!という意気込みで取り組んでいます。
来年度以降、観光客や地域住民が訪れ地元紀の川の恵をたっぷりと味わえるような場所になるようにこれからも進めていきますのでぜひ楽しみにしてください!
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