みなさま明けましておめでとうございます!エンジョイワークス 和歌山担当の永田です。
和歌山県紀の川市で進めている「三笠館再生プロジェクト」にて新年早々、屋台を出店しました。西国三十三所巡礼の第三札所であり、約2万人が初詣で参拝するという粉河寺(こかわでら)のすぐ前に位置しており、たくさんの参拝客の方にいらしていただきました。初詣出店の様子と三笠館の歴史ルーツをレポートします。
10年以上空き家だった元旅館前でポップアップ出店
約60年前の当時は約180もの店舗が軒を連ね、銀行5行が支店を置く商売のまちであった紀の川市粉河エリア。JR粉河駅から粉河寺まで約1kmつづく商店街「とんまか通り」の空き家を再生し、地域の活性化につなげようと取り組んでいます。
商店街活性化の第一弾のプロジェクトとして、大正4年からの歴史がある元旅館「三笠館」を地域の方々と一緒に再生していくため、1月1日・2日の2日間・10時から17時まで屋台を出店し、初詣に向かう参拝者のみなさまにかす汁の提供とリノベーション中の三笠館の案内を実施しました。
「屋台を出店するぞ!」と思い立ったものの、ノウハウがない私たちを子ども食堂や飲食イベントを手がける天晴プロジェクトの上田洋平さんにサポートいただきました。「かす汁が提供しやすく、地元のみなさんに受けるよ!」とアイデアを頂いただけではなく、酒かすを提供いただける初桜酒造(和歌山県かつらぎ町)さんをご紹介いただきました。
紀の川流域は昔、稲作をするために紀の川から大規模な用水路『小田井用水』を引き込み、豊かな水資源を獲得し農作物が穫れるようになっただけではなく、地下水を使って日本酒やお酢、化粧水などさまざまな産業が生まれました。特に日本酒は川上酒と言われ、和歌山城に献上されるなどこのエリア有数の産業でした。しかし現在は川上酒を受け継いでいる醸造所はほとんどなくなってしまい、初桜酒造さんが唯一受け継いでいます。
そんな歴史ある初桜酒造さんから酒かすをご提供いただき、天晴プロジェクトの上田さんから紀の川の野菜を頂き、紀の川の食材を使ったかす汁を作りました。西国三十三所に登録されていることもあり、たくさんの方々が参拝にいらっしゃり、2日間で合計152杯のかす汁を販売しました。三笠館の説明を行う中で三笠館を活用することに対し、みなさまにとても喜んでいただきました。特に地元が紀の川市や粉河の方々にとってはシンボル的存在であり、ずっと空き家になっていた場所が生まれ変わることに対して驚きと期待の声を寄せていただき嬉しい思いです。
紀の川のフルーツと粉河の水資源を体感し、紀の川市の良さを知っていただけるような場所を目指し、リノベーションを進めており今春4月に宿泊施設、サウナ、カフェの複合施設をオープン予定です。
共感投資プラットフォームであるハロー!RENOVATIONとも連携して、地域住民の方々だけではなく都市部に移り住んだ方々にも関わっていただけるように取り組みますので、引き続き応援のほどお願い致します!
紀州徳川家・吉宗公ご贔屓の『粉河寺』とそのルーツ
ちなみにですが、約1,300年の歴史があると言われており西国三十三所・第三札所として登録されている粉河寺と三笠館の関係性をお伝えしたいと思います。
近畿エリアを中心に2府5県に跨って観音様を巡る西国三十三所巡礼はシニア層を中心に人気で、数多くのツーリズム会社によってバスツアーが組まれておりコロナ禍前は年間約15万人が来訪しています。(令和元年5月20日に「1300年つづく日本の終活の旅~⻄国三十三所観音巡礼~」として日本遺産登録)
中でも粉河寺は3番目の巡礼ポイントでもあることに加え、紀州徳川家・吉宗公がご贔屓にされていたとも言われています。粉河寺の大門は吉宗公が和歌山城主の際に再建され、県内で和歌山城以外に存在しない鷹狩り用の建物や築城の名手・藤堂高虎が治めた猿丘城もすぐ近くにありました。
そんな粉河寺を目当てに昔からたくさんの観光客が来訪し、三笠館は観光客向けの高級飲食旅館として、また地域住民にとっては冠婚葬祭や宴会が催されてきました。粉河寺の前で観光客と地域住民の方々の両方に愛されてきた歴史を引き継いで引き続きリノベーションを進めていきます。
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