こんにちは。
エンジョイワークス オオサカの落海(京都在住)です。

突然ですが、みなさん「Park-PFI」という言葉をご存知でしょうか?PFIとは“Private Finance Initiative”の略で、Park-PFIとは都市公園の利便性、魅力の向上を図ることを目的として、公園の整備・管理を行う民間の事業者を公募により選定する制度です。京都市でもこの制度を利用し、地域や企業と一緒に公園の使い方を考え、新しい利活用を試行する「公民連携 公園利活用トライアル事業」に取り組んでいます。

私の住む京都市北区にある船岡山公園では、事業者である株式会社一級建築士事務所STUDIO MONAKAを代表とするチームが、旧公園事務所棟を活用しながら巡回やごみ拾い等の公園管理を行うほか、毎月第3日曜の日中に地域交流イベント「オープンパーク」を実施しています。この度、先日3/17(日)に開催された「オープンパーク・パークナイト」イベントに参加してきましたので、レポートします。

今回のオープンパークは、いつもよりもスケールを拡張して、マルシェ+トークイベント+演奏会の3部構成となっていました。あいにく雨がぱらついていて肌寒い日でしたが、公園に到着すると、多くのお店が立ち並ぶマルシェが開催されていました。

カレー、有機野菜、ジビエ、おにぎり、コーヒーなどの飲食店の他、文房具屋やペイント体験ブース、マッサージなど、大人から子供まで楽しめるようなお店が公園内のあちこちに並んでいて、皆思い思いに楽しんでいたようでした。私は、有機栽培のパクチーをゲットした後、手作りのホットチャイを頂き、体を温めました。寒かったので体に沁みました〜。

一通りマルシェをぐるっと周り、美味しいものを食べたり飲んだりしてマルシェを堪能したのち、今度は公園の元管理棟に移動して第2部のトークイベント開始です。

トークイベントのテーマは、「私からはじめる、手作り公共」。特別ゲストとして、界隈ではとても有名な「グランドレベル」の田中元子さんが登壇!田中さんのお話をぜひ聞きたいと駆けつけてきた方も多く見受けられ、会場は満席でした。田中さんは、即席屋台で道行く人にフリーでコーヒーを振る舞い、そこに人が集まり生まれる公共的な何かを“マイパブリック”と名付けた方。行政主導とは違うアプローチを実践してきた彼女の話にはリアリティがあり、人間らしさを感じることができました。作られていない自然発生的な予期できない人の営みの中に面白さがある、と彼女は言います。

一方、行政の立場で京都市の公園利活用の仕組み作りに携わってきた京都市職員の葉山さんも登壇。葉山さん自身も公園で自らフリー相談屋を行った経験があるなど、田中さんでいうところの“マイパブリック”の実践者。従来のトップダウンの行政の仕組みとは違う形でうまく利活用される取り組みができないかを真剣に考え、公園に取り憑かれたうちの一人です(笑)

京都市の新たな取り組みとして今年の2月に「Park-UP事業(仮称)」が創設されました。これにより、行政が定めた画一位的な利用ルールにより管理するのではなく、地域が主体的に公園を管理運営を前提に、その地域の実情にあった運営方針や利用ルールを定めることができるようになるとのこと。公園ごとに特色が生まれ、自ずと足を運びたくなるような公園が増えていくことに期待大ですね!登壇した4人のゲストがそれぞれの公園の思い出やこれからの公園に期待することなど熱いクロストークが繰り広げられ、公園のあり方を考える、大変意義深い時間となりました。

さて、あたりが薄暗くなってきたら最後は第3部の演奏会です。ゲストはインストゥルメンタルバンド「NABOA」の山本啓さんで、ピアノとヴァイオリオンの生演奏。公園の片隅でこんな素敵な音楽が聴けるなんて、とても贅沢!この頃には雨も上がり、徐々に薄暗くなってきて、ムーディーな感じに。山本さんの奏でる優しいメロディに癒されながら、その日感じたことを思い返し、思わずジーンときてしまいました。

「公園って誰のもの?」ということを考えさせられる学びの多い素晴らしいイベントでした。ぜひ皆さんも近所の公園に足を運び、自分なりの公園の使い方を考えてみてください。