こんにちは。
エンジョイワークス オオサカの落海(京都在住)です。
京都五花街の一つである上七軒のそばを歩いていて見つけた端正な京町家。2階の天井が低く、虫籠(むしこ)窓がある、いわゆる厨子二階(つしにかい)と呼ばれる形式で、京都ではよく見られます。綺麗にリノベーションされ、暖簾がかかっていたので、初めは宿かレストランかと思い、暖簾の文字「sayoka」をググってみるとなんと一棟貸切のサウナ施設じゃないですか!コンセプトは「サウナで最高の余暇を」。町家好き&サウナ好きとしては、見逃すわけには行かない!とのことですぐに予約して、後日突撃することにしました。
まずはこれを見て下さい!京都市のバリアフリー条例により施設の許可を取得するためには点字ブロックが必須なのですが、ここで使われているのは点字ブロックではなく、点字状に埋め込まれた那智黒石!初めて見ましたが、景観と機能を両立させた素晴らしいアイデア。これは期待が持てます!
玄関を入ると、小さな帳場があり、常駐の女性スタッフがお出迎え。マッサージ店のような雰囲気です。受付を済ませてからこちらの休憩スペースに通され、施設の詳しい説明を受けます。建築士としてはもう一歩進んだテクニカルな質問を投げかけてみたくなりました。というのも、建築基準法上は一棟貸しのサウナ施設のカテゴリーがないため、この施設はどのカテゴリーなのかが気になったのです。スタッフの方は一瞬困った顔をしつつも、すぐに電話でオーナーに確認してくれました。説明によると、こちらは一棟貸切ということもあり、銭湯のようないわゆる公衆浴場ではなく、簡易宿所として許可を取得しているとのことでした。なるほど〜。
すっきりしたところでいよいよサウナへ!天井をぶち抜き構造をむき出しにしたこちらの廊下の先にあるガラス戸の向こうが浴室です。ガラスにある3/4の文字はsayokaから来るもの?ワクワクドキドキ♪
浴室に入るとまずほうじ茶のいい香りが漂ってきました。サウナ室の前にドーンとあるのが特注サイズだという大きめの水風呂桶。そして2つ並んでいる方があったかいお風呂。その右には外気浴できるスペースも見えます。
横を覗いてみると何やら目立つパイプが。”FRESH AIR PROVIDING”の文字があることから、床下経由で新鮮な外気をサウナ室内に送っているようです。柄杓の入った茶色いバケツにはほうじ茶が入っていて、これをサウナストーブにセルフロウリュしていいとのこと。これは楽しみ!
フィンランドサウナのため、室内は熱すぎない80℃に保たれています。ただのベンチシートではなく、寝っ転がれるリクライニングシートのようなスタイルは初めての体験!ちょうどいい形状で寝っ転がっていると、気持ち良くて思わずうとうと寝ちゃいそうになりました。(←実際少し寝たかも!?)
サウナで体が温まったら、かなり深めの水風呂にドボン!水温はチラーで16.5℃に設定しているようです。内なる火照りと外皮の冷たさの入り混じる不思議な感覚は言葉では言い表せません!副交感神経にスイッチを入れたところで、そのまま外気欲スペースへ。ここは町家とは思えないリゾート地のような素敵な空間。背面のバンブースクリーンが空間を際立たせています。調べてみると、京名竹の老舗「横山竹材店」が施工した“やたら編み”という技法で現地施工したものとのこと。熟達した職人の成せる技ですね。
そして気の利いたことに、手元には熱々のほうじ茶が置かれていて、これはもう身も心もととのうしかありません!2時間ほどの短い時間ではありましたが、コンセプト通り、“サウナで最高の余暇を”堪能することができました。しかも家の近所で。あちこちにある銭湯のサウナもいいですが、たまにはこうやって少し羽を伸ばしてリゾートサウナを味わうのもいいものですね。
スタッフによると、sayokaは京都のサウナの先駆けである「森のサウナ Replus」が監修しているとのこと。それも納得の仕上がりでした。京都に行かれる際には、サウナもアクティビティの一つに加えてみると、いつもとは違った京都が楽しめるかも!?
◾️sayoka