こんにちは！エンジョイワークス紀の川支店の永田です。
突然ですが、みなさんは「ジーバーフード」という事業をご存知でしょうか？
宮城県仙台市で始まった元気なシニアの方々の力を地域に還元できる機会と場所を飲食を通じて手掛けていらっしゃいます。今回は8月1日に紀の川市で開催されたのイベントレポートをお届けします。
シニアの方が持つ知慧（ちえ）と経験を地域活性化のパワーに
「ジーバーフード」と聞くと「ウーバーイーツみたい」「じいさんばあさん？」と連想されますが、ストレートに“じいさんばあさん”に"地場”という言葉が重なった地域密着型のサービスです。事業運営は沖縄県宮古島にて、ハロー！RENOVATIONにて共感と資金を集め、宿泊施設を経営している株式会社ユカリエの永野社長が手掛けていらっしゃいます。
「少子高齢化」「人口減少」「地方の衰退」「人手不足」といった言葉が日本中どこでも耳にすると思います。高度経済成長期のように人口が増え、ニュータウンを開拓してきた時代から変化し、健康寿命も伸びて元気なシニアの方々が増えている成熟社会に入っています。そんな中「65歳のおじいちゃんも高齢者、80歳のおじいちゃんも高齢者。25歳も離れていて同じくくりにまとめてしまって良いものなのか」ということに気付かされ、元気なシニアの方々が活躍できる場所や機会が地域にはないことに課題を持ち始めたとのこと。人生100年時代と言われる中、シニアの方々には心と生活のゆとりと人生経験で得たさまざまな知慧（ちえ）があり、それを発揮できる場や機会が地域に必要だと永野社長は言います。
一方で仙台市の中心市街地も空きテナントが増え、地域の活力が低下してきている現状を見てどうにかできないかというところからジーバーフードの事業を始められました。
ジーバーフードは元気なシニアの方々を中心に飲食業を通じて、地域活性化につながることに共感されたシニア世代の方を中心に取り組んでいます。お弁当を作って配達したり、食堂にてご飯を提供することから始まりましたが、現在では人手不足に悩む老舗飲食店などで活躍されている事例もあるそうで、仙台市以外に長野県や静岡県での展開も始まっています。面白いポイントとしては、コミュニティ型で運営をしている点です。決まったおかずのお弁当を作る単純労働ではなく、メニュー作りから提供まで参加者のシニアの方々で決めていく”余白”のあるプロセスが参画する方のモチベーションになり、チームがうまく回る大きなポイントとのこと。
ジーバーフードのWebサイト）https://gbfood.gbaaa.jp
紀の川市×ジーバーの可能性を地域の方と探る
エンジョイワークスが2023年4月から取り組んでいる紀の川市と和歌山県紀の川市も少子高齢化と人口減少が著しい地域です。県全体で高齢化率は33.3%（令和5年）と3人に1人は高齢者という割合です。また県内の高校を卒業して大学、短大に進学した人の県外進学率は79.7%（2021年度末・県教育委員会）と全国ワースト3位になっており、少子高齢化が著しく、空き家率も21.2%と全国ワースト1位になっています。
一方で、1,300年の歴史を持つ粉河寺とその門前町の歴史や豊かな自然に恵まれ、全国有数のフルーツの産地というポテンシャルを活かすために、元気なシニアの方々が地域活性化に向けて活躍できる場と機会をどのように実現できるのかを探るため、今回は永野社長にお越しいただき地域の方々と意見交換を行いました。
最後の意見交換会ではたくさんの意見が出てきました。
「子ども食堂をしたい！けれども子どもが行きたくなる場所ってどんな場所だろうか」
「収穫時期にお手伝いに来てくれる方も高齢化し、今後はどう農業を続けていくと良いのだろうか」
「国道の大型スーパーに集中していて、車がないと買い物に行けないので困っている高齢者が多い」
「スーパーの宅配サービスが人気で地元の高齢者からニーズが強い」
「農家はカゴに積んで売りに行ける場所があれば喜んで出店したいと思うはず」
などなど、ジーバーフードの事業から参考にできそうな課題がたくさん眠っていることに気づかれました。まずは課題を共有し、それをどのように解決していくかを地域の方々と一緒に完成したMIKASAKAN（旧三笠館）で交流を今後も深めながら進めていきます。
紀の川市での取り組み、そして元旅館「三笠館」をリノベーションした「MIKASAKAN」では今後もまちづくりに関するイベントを開催していきますので、ぜひご参加ください！日々の取り組みなどはInstagramよりご覧いただけますと幸いです。