エンジョイワークス オオサカの落海(京都在住)です。
71日の記事でもご紹介した神戸市垂水区の「愛ある団地リノベ」ですが、団地リノベのエキスパート”FrogHouse”さんの設計施工監理のもと、暑さ全開の8月6日に着工しました!ということで、団地リノベが一体どのように行われているのか、その工程をレポートしたいと思います。

まずはスケルトンにするための解体作業からです。団地のリノベは、主に内装工事ですので、ひらすら床をめくり、壁をめくり、天井をめくり。めくりはリノベの基本です。古い建物や団地では、解体してみるとなぜ?というような予期せぬ事態に巡り合うこともしばしばですが、その都度対処法を検討し、コストバランスを考慮し最善と思える案を実行していきます。リノベってもうほんとこの作業の繰り返し。なかなか図面通りにはいかないものです。予期せぬことが起こることをあらかじめ予期すること、そしてその心構えをもつことこそ、リノベの心得とも言えるでしょう。

解体が終わるとまずは壁の補修を。きれいであればそのまま使う予定でしたが、表面に不陸(※平らではない状態)があり、その後の工程に影響が出るため、左官工事でモルタルをしごきます。そして今度は大工さんが新しい壁の下地をテンポよく組み上げていきます。この時、下地に絡ませるようにして電気配線も済ませてしまいます。

ここまで完了すると、今回の団地リノベの目玉“ザ★断熱”の工程に移ります。元々はボード状の断熱材を施工予定でしたが、壁面の下地が思った以上に凸凹であったため、急遽モコモコの吹付け断熱に変更。躯体の壁面と断熱材の間に隙間があると、湿った空気が躯体表面で結露し、カビが発生したり、断熱性能の低下につながったりしてしまいます。一方吹付け断熱は、隙間なく断熱材で覆われるため、狙った断熱性能の確保のためには最善の策といえます。断熱工事が終わったら、手際良く天井、床、壁の順でフタをしていきます。まずは天井材から。今回、LDKの天井は質感のあるラワンベニアを採用しています。

ベランダから見下ろしたところにある畑。このうち、1区画(約2m×2m)も自由に使える!

リノベ工事は、10月中旬の完成に向け、段取りよく進められていきます。大工工事は9月の第1週目を目処に完了させ、その後内装工事へと移っていきます。私は普段京町家のリノベに携わることが多いのですが、団地リノベでは構造補強が不要な分、工事のスピード感が全く違い、びっくりしています。内装工事の後は、設備工事、建具工事、インフラ工事、器具類設置など順次スタンバイしておりますが、これらに関しては次回またレポートしたいと思います。(次回に続く)

本プロジェクトは、フロッグハウスさんのブログでも丁寧にまとめられていますので、そちらも併せてご覧ください。

<リンク>
EW OSAKA(7/1記事):「【御礼】愛ある団地ファンド1号 神戸市垂水区 出資満額達成!」
フロッグハウスブログ(8/19記事):「愛ある団地プロジェクト、スタート!」