こんにちは。エンジョイワークス オオサカの萩原です。
わたしたちは、「団地を愛する人を増やす。愛される団地を増やす」をミッションに掲げ、「愛ある団地再生プロジェクト」を2024年からスタートさせました。
その第一弾として手がけたのが、神戸市垂水区・明舞団地の一室。
海と緑に囲まれた静かなロケーションを活かし、心地よい“余白”を感じる空間へと生まれ変わりました。
今回ご紹介するのは、その再生された住まいを選ばれた香川 かづあきさんの暮らしと価値観。
「団地暮らしに興味がある」「生き方から変えてみたい」と思う方にとって、きっとヒントが詰まった内容です。
【Profile】
香川 かづあき(KADUAKI KAGAWA)
・職業:イラストレーター・デザイナー
・年齢:61歳
・購入日:2025年3月
・UR賃貸からの住替え
・現在パートナーさんとお二人暮らし

「最小の美」で満たされた1LDK。空間を照らす“人生を変えた照明”
香川さんの住まいを訪れた第一印象。それは、「モノが少ないのに、寂しくない」空間。
整えられた1LDKには、必要最小限の家具と、静かに存在感を放つ小物たち。まるでホテルのような佇まいです。
中でも目を引いたのは、リビングと洋室に設置された2つの照明。
曲線と光のバランスが美しく、まるで彫刻のような存在感を放っていました。
「イタリアで出会いました。照明って、向こうでは“贅沢”の象徴。インテリアの主役として扱われているんですよ。」
そんな香川さんの“照明愛”は深く、世界的なデザイン賞も受賞したその照明は、注文から届くまで3ヶ月待ちだったとか。
トランスや可動アームをあえてデザインの一部にした“見せる照明”は、日々の暮らしの質を高めてくれる欠かせないパートナーとなっています。






「いらないモノ会議」で見えてきた、本当に大切なもの
「引き算の暮らし」を選んだきっかけは、意外にも引っ越しのアルバイトでした。
「3.11の頃、イラストの仕事だけでは生活が厳しくて。ダブルワークで引っ越しの現場に入っていました。」
ある日、ひとり暮らしの2LDKから溢れる4トントラックの荷物を目にし、「モノってなんだろう?」と考えるように。
その思索の中で、香川さんがたどり着いたのは、「今この瞬間を楽しむ」こと。
「人間っていつか死ぬじゃないですか。だったら今だけを楽しんだらいい。そのために“いらないもの”は極力減らしたほうがいい。」

現在、パートナーとともに行っているのが、定期的な“いらないモノ会議”。
これまでに手放したモノは、自転車、テレビ、車、掃除機…。
「掃除は、ほうきとクイックルワイパーで充分ですよ」と笑う香川さん。
本当に必要なものだけを厳選し、持たないことで心と身体に“余白”が生まれる。
それは、団地というコンパクトな空間だからこそ、より実感できる暮らし方でもあるのです。
後編に続く・・・
【香川さんがセレクトした引き算アイテム一覧(抜粋)】





■取材担当の所感(前編)
取材というよりも、友人の家に遊びに行った感覚でした(笑)
改めて、家・お部屋は「今を幸せに生きるための空間である」と感じます。
引き算の暮らしを徹底的に追求した結果、選ばれたモノ・アイテムたちはデザイン・存在感・機能性共に抜群!
香川さんの生活への探求心と好奇心を肌で感じることができ、とても幸せな時間となりました。
最後にとても印象に残った「名言」今日のまとめとして、前編を終えたいと思います。
後編は「香川さんが”愛ある団地”を買った理由」を中心にお届けします。
■今日のまとめ
住空間を良くする3つの要素は「照明」・「音楽」・「香り」である。